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〜中村の使命〜

「フィルム時代が終わってデジタルになり、あまりこだわらなくなってきた」
中村はそうつぶやいた。

その言葉は、デジタル時代を迎えた映像世界への惜別の思いであったかもしれない。
また時代の変化に対して柔軟に対応しようとする姿勢の表れであったのかもしれない。

むかしはよかった、そんな言葉さえも陳腐に思える、中村の変化がそこにあった。
フィルム時代も今も、こだわりへの追及に対する自分なりの矜持があった。

さて、中村は今も写真を撮っている。
自分のすべきことを知るために、
被写体全てに幸せを贈り与え、自らもそうならんがために。

そんな中村の撮る「幸せ」にめぐり会えたら、幸運である。